お風呂のお湯から黒いカスが出てきたり、追い焚き時に嫌なニオイがしたりして悩んでいる方は多いはず。実はその正体、追い焚き配管の中にこびりついた湯垢とバイオフィルムかもしれません。
住宅設備工として現場で見てきた経験からすると、追い焚き配管の汚れは見えないだけに放置されがち。でも実は、定期的な掃除で簡単に予防できますし、自分でやれば数百円の費用で済みます。この記事では、追い焚き配管の汚れの原因から自分でできる掃除手順、業者に頼むべきラインまでを、現場目線でまとめました。
黒い湯垢・ニオイの正体は?追い焚き配管が汚れる原因
追い焚き機能のあるお風呂では、浴槽のお湯が配管を通って風呂釜で温められ、再び浴槽に戻ってきます。この循環する仕組みが、汚れがたまりやすい構造でもあるんです。
配管内部にたまる3つの汚れ
追い焚き配管にたまる汚れは、主に以下の3種類です。
1. 皮脂・石けんカス 入浴時に浴槽に流れ込んだ皮脂や石けんカスが、配管内部に少しずつ蓄積します。これが時間とともに固まって「湯垢」と呼ばれる黒い塊になります。
2. バイオフィルム 配管内の温かく湿った環境は、雑菌が繁殖しやすい条件。雑菌がコロニーを作って膜状になったものが「バイオフィルム」で、ヌルヌルした感触の正体です。
3. レジオネラ菌などの細菌 追い焚き配管の汚れで特に注意したいのが、レジオネラ菌などの病原菌の繁殖。入浴時にエアロゾル(細かい水しぶき)を吸い込むことで感染する可能性があり、免疫力の低い高齢者や子どもは特に注意が必要です。
一つ穴と二つ穴で汚れ方が違う
風呂釜には大きく分けて「一つ穴」と「二つ穴」のタイプがあり、汚れ方や掃除方法が異なります。
| タイプ | 特徴 | 汚れ方 |
|---|---|---|
| 一つ穴 | 自然循環方式・ポンプで強制循環 | 配管内全体に汚れが広がる |
| 二つ穴 | 上下に2つの穴・自然対流 | 下の穴付近に汚れが集中 |
最近の住宅では一つ穴タイプが主流。自分の家がどちらかは、浴槽の壁面を見れば一目で判別できます。
自分でできる追い焚き配管の掃除手順
追い焚き配管の掃除は、市販の風呂釜洗浄剤を使えば誰でもできます。月1回のペースで実施するのが理想です。
用意するもの
- 風呂釜洗浄剤(過炭酸ナトリウム系または酸素系漂白剤)
- ゴム手袋
- 雑巾またはタオル
- 中の汚れを受ける容器(できれば)
風呂釜洗浄剤は2種類ありますが、過炭酸ナトリウム系の方が皮脂汚れに強く、追い焚き配管掃除には向いています。ドラッグストアで300〜500円程度で買えます。
一つ穴タイプの掃除手順
STEP 1:お湯を張る 追い焚き穴の上 5〜10cm までお湯(40〜50℃推奨)を張ります。お湯が熱いほど洗浄剤が効きやすくなります。
STEP 2:洗浄剤を投入 パッケージ記載の分量の風呂釜洗浄剤をお湯に投入し、よくかき混ぜて溶かします。
STEP 3:追い焚き運転(1回目) 追い焚き機能を3〜5分運転します。配管内に洗浄剤が循環し、汚れを浮かせます。
STEP 4:2〜3時間放置 そのまま放置し、洗浄剤を浸透させます。長く放置するほど効果的ですが、最低でも2時間は置きましょう。
STEP 5:追い焚き運転(2回目) もう一度3〜5分追い焚きします。汚れが大量に出てくることが多いので、驚かないでください。
STEP 6:お湯を抜く お湯を抜き、浴槽内に残った汚れを流します。
STEP 7:すすぎ運転 新しい水を張り直して再度追い焚きを運転、これで配管内の洗浄剤も洗い流せます。
二つ穴タイプの掃除手順
二つ穴タイプは下側の穴を塞いで上の穴から洗浄剤を投入する方法もありますが、最近の住宅ではほぼ一つ穴なので詳細は割愛します。二つ穴の家にお住まいの方は、洗浄剤のパッケージ記載の手順を確認してください。
黒い湯垢・ニオイの予防策3つ
掃除と並行して予防も大事。日常的に意識するだけで、汚れの蓄積を大幅に抑えられます。
予防策1:残り湯を溜めない
入浴後の残り湯を一晩中溜めっぱなしにすると、配管内で雑菌が繁殖しやすくなります。洗濯に使わないなら、入浴後すぐに排水するのが理想です。
予防策2:月1回の風呂釜洗浄
定期掃除を月1回のルーティンにしましょう。「給料日の翌日」など、決まった日に設定すると忘れません。
予防策3:入浴剤の選び方
入浴剤の中には配管内に成分が残りやすいタイプもあります。追い焚き対応と書かれた入浴剤を選ぶのが安心です。塩や硫黄成分を含む温泉系入浴剤は、配管を傷める可能性があるので追い焚きとの併用は避けましょう。
自分で掃除しても汚れが取れない場合は業者依頼を検討
月1回の掃除を続けてもどうしても黒い汚れが出てくる、ニオイが取れない場合は、配管内のバイオフィルムが固着している可能性があります。
業者依頼の判断基準
以下のいずれかに当てはまる場合は、業者の高圧洗浄(ジェット洗浄)を検討してください。
- 5年以上配管掃除をしていない
- 市販の洗浄剤を使っても黒い汚れが出続ける
- 追い焚き運転中に異音がする
- 給湯器の交換時期(10年以上)に近づいている
業者依頼の費用相場
| 作業内容 | 費用相場 |
|---|---|
| 配管高圧洗浄(ジェット洗浄) | 15,000〜25,000円 |
| 配管 + 浴槽全体クリーニング | 20,000〜35,000円 |
| 給湯器交換と同時施工 | 別途見積もり |
業者によって価格差があるので、必ず複数社から相見積もりを取るのがおすすめです。悪徳業者だと相場の倍以上請求してくる場合もあるので注意が必要です。
まとめ
追い焚き配管の汚れは、放置すると衛生面でもニオイ面でも問題を引き起こします。でも月1回の定期掃除で十分に予防可能で、市販の洗浄剤と数百円のコストで済みます。
- 黒い湯垢の正体は皮脂・石けんカス・バイオフィルム
- 風呂釜洗浄剤を使えば自分で簡単に掃除可能
- 月1回のルーティン化で予防効果が高い
- 5年以上未掃除の場合は業者の高圧洗浄を検討
- 業者依頼時は必ず相見積もりを取る
今日からでも始められる追い焚き配管掃除、ぜひ試してみてください。
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