エコジョーズとは?従来型との違い・ガス代・デメリットまで現場のプロが本音で解説

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給湯器の交換見積もりで、「エコジョーズにしますか?従来型にしますか?」と聞かれて答えに詰まった方へ。

エコジョーズは「ガス代が安くなる給湯器」として業者側が積極的に勧める商品です。実際、良い機械です。ただ、売る側があまり語らない維持コストや設置の制約もちゃんとあります。この記事では、現場歴20年の設備エンジニアである筆者が、メリットもデメリットも同じ熱量で解説します。読み終わる頃には、自分の家がエコジョーズ向きかどうか、自分で判断できるはずです。

エコジョーズとは?「捨てていた熱」を再利用する給湯器

従来型のガス給湯器は、ガスを燃やした排気を約200℃のまま外へ捨てています。エコジョーズは、この捨てていた排気の熱で水を予熱してから本加熱する仕組みで、同じお湯を作るのに使うガスの量を減らします。熱効率でいうと、従来型の約80%に対してエコジョーズは約95%。「潜熱回収型給湯器」というのが正式な呼び方です。

お湯の出方や使い勝手は従来型と変わりません。違うのは「燃費」と、後で説明する「排水まわりの構造」です。

ガス代はいくら安くなる?

ガスの使用量が約10〜15%減るのがエコジョーズの効果で、金額にすると4人家族の目安で年間6,000円から10,000円ほどの節約になります。

節約効果が大きく出るのは、次のような「お湯とガスをたくさん使う家」です。

  • 家族の人数が多く、毎日お風呂を沸かす
  • 追い焚きをよく使う
  • 床暖房や浴室暖房乾燥機をガスで動かしている

逆に、1人暮らしでシャワー中心の生活だと削減額は小さくなります。エコジョーズは「使うほど得をする」タイプの投資だと考えてください。

プロパンガスの家は少し話が複雑です。プロパンは都市ガスより単価が高いぶん、同じ削減率でも節約額は大きくなりやすい。一方で「そもそもプロパンのガス代が高い」という悩みの根本は、給湯器では解決しません。エコジョーズ化と合わせて、ガス会社の料金プラン自体を見直す方が効くケースもある──というのが現場の正直な感覚です。

初期費用の差額と回収年数

エコジョーズは従来型より初期費用が高くなります。内訳は2つ。

  • 本体価格の差:一般的には3〜5万円ほど高い。ただし、給湯器専門のネット業者では差額1〜3万円程度まで縮んでいる例もあります。エコジョーズの方が流通量が多く値引き率も大きいためで、「定価の差」ではなく「実際の見積額の差」で比べるのがポイントです
  • ドレン排水工事:後述する排水を流すための工事が5,000〜10,000円ほど

仮に差額が3万円、年間の節約が6,000円なら、5年で元が取れる計算です。給湯器の設計上の使用期間は約10年なので、普通に使えば多くの家で回収できる構造になっています。床暖房を使う家なら回収はさらに早い。ここまでがメリット側の話です。

デメリットも正直に|ドレン排水・中和器・酸性の排気

ここからが、この記事で一番伝えたい部分です。

①ドレン排水の処理が必要

排気の熱を回収すると、水蒸気が結露して1日500〜1,500mlほどの水(ドレン排水)が給湯器から出ます。この水を流すための排水経路の確保が、エコジョーズ設置の条件です。戸建てなら近くの排水口へ配管するだけのことが多いですが、マンションのパイプシャフト設置などでは工事が難しかったり、専用の部材が必要になったりするケースがあります。集合住宅の方は、見積もり時に設置可否を必ず確認してください。

②「中和器」という消耗部品がある

ドレン排水はそのままだと酸性なので、エコジョーズの中には炭酸カルシウムで水を中性にしてから排出する「中和器」という部品が入っています。そしてこの中和器、電池やカートリッジと同じ消耗品なんです。

寿命の目安は約10年。お湯の使用量が少ない家では10年以上もつことも珍しくありませんが、いずれ必ず交換時期が来ます。そのサインがリモコンのエラー表示です。

  • エラー920:中和器の寿命が近いという予告。この時点ではお湯は普通に使えますが、猶予は目安で約1ヶ月(使用時間にして約50時間)
  • エラー930:中和器の寿命切れ。給湯が止まり、お湯が出なくなります。故障ではなく、酸性の水を未処理で流さないための安全設計です

つまり920は「残り1ヶ月の予告灯」。表示されたら放置せず、業者に連絡してください。中和器の交換費用は15,000円前後が目安で、消耗による交換はメーカー保証の対象外になる点も知っておきましょう。

現場目線の判断基準を添えておくと、920が出たときの給湯器の年数で決めるのがセオリーです。設置からまだ数年なら中和器だけ交換すればいい。でも7〜10年を超えているなら、他の部品も寿命が近く修理が重なりがちなので、本体ごとの交換を視野に入れた方が結果的に安く済みます。まさに「直すか、替えるか」の分かれ目です。

③排気まわりの注意|冬の白い湯気と酸性の排気

排気の熱を回収する分、エコジョーズの排気温度は従来型よりずっと低くなります。その結果、排気には水蒸気が多く含まれ、真冬は排気口から白い湯気が煙のように噴き出して見えることがあります。故障ではなく正常な動作なのですが、知らないと「火事?」と驚くくらいの見た目になる日もあります。

そして現場で実際に起きているのが、排気口が隣家の方を向いている設置でのご近所トラブルです。冬のたびに白い湯気がお隣の窓や洗濯物の方へ流れていけば、良い気はされませんよね。こうした場合のために、排気口に取り付けて排気の向きを変えるアダプター(排気方向変更部材)が用意されています。設置場所とお隣の位置関係が気になる家は、見積もりの段階で業者に相談しておくとトラブルを未然に防げます。

また、温度が下がった排気は酸性寄りになります。排気口のすぐ近くにスチールやアルミの物置・柵などがあると、錆びの原因になることがある点も設置位置の配慮ポイントです。

従来型を選んだ方がいいのはこんな家

エコジョーズが万能というわけではありません。次に当てはまるなら、従来型を選ぶのも合理的な判断です。

  • 1人暮らし・お湯の使用量が少ない:節約額が小さく、初期差額の回収に時間がかかる
  • ドレン排水の経路が確保できない:設置条件を満たせなければそもそも選べません
  • 初期費用を1円でも抑えたい:従来型は構造がシンプルな分、本体も安く、修理費も抑えられる傾向があります

なお、新築や10年前後での交換市場では今やエコジョーズが主流になっていて、従来型はラインナップ自体が絞られてきています。「迷ったらエコジョーズ、条件が合わなければ従来型」というのが2026年時点の現実的な整理です。

よくある質問

Q1. エコジョーズにしたら補助金は出る?

ここ、誤解が本当に多いところです。国の「給湯省エネ2026事業」の対象はエコキュート・ハイブリッド給湯機・エネファームの3種類で、エコジョーズは対象外。エコジョーズに使えるのは別の制度(賃貸オーナー向けの制度や、断熱改修との組み合わせが条件の制度、自治体の補助金など)で、条件がそれぞれ細かく違います。給湯器の補助金は当サイトで別記事として準備中なので、公開までは見積もり時に業者へ「この機種で使える補助金はあるか」と直接確認するのが確実です。

Q2. 寿命は従来型と違う?

本体の設計上の使用期間はどちらも約10年で、大きな差はありません。エコジョーズは途中で中和器の交換が入る可能性がある、というのが実質的な違いです。

Q3. お湯の出や使い勝手は変わる?

変わりません。号数が同じなら湯量も同じです。変わるのはガスの消費量と、ドレン排水まわりの構造だけです。

まとめ:エコジョーズが向くかは「お湯の使用量」で決まる

  • エコジョーズ=捨てていた排気熱を再利用する給湯器。ガス使用量が約10〜15%減る
  • 4人家族なら年6,000〜10,000円の節約目安。追い焚き・床暖房を使う家ほど効果大
  • 初期差額はネット系専門業者なら1〜3万円程度の例も。多くの家で10年以内に回収できる
  • デメリットはドレン排水の工事・中和器という消耗品(エラー920→930)・冬の白い湯気などの排気まわり
  • お湯をあまり使わない家・ドレン経路が無い家は従来型も合理的

結局のところ、判断材料は「うちのお湯の使用量」と「設置環境」の2つです。迷ったら、今の給湯器の型番写真を業者に送って「エコジョーズと従来型の両方で見積もりを」と頼んでください。実際の差額を見てから決めれば、失敗のしようがありません。給湯器専門のネット業者なら、写真を送るだけで両パターンの概算がすぐ出ますよ。

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