引越し前に確認したい設備チェックリスト | 入居後トラブルと退去費用を防ぐ20項目

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新居への引越し、ワクワクしますよね。でも、入居後に「シャワーの水圧が弱い」「エアコンが効かない」「コンセントが少なすぎる」と気付いて困った経験、ありませんか?

住宅設備工として現場で見てきた経験から言うと、引越しトラブルの大半は「入居前のチェック不足」が原因です。物件案内では問題なく見えても、実際に住み始めると気付く「使い勝手の悪さ」があります。

そして、もっと重要なのが退去時のトラブル予防。入居前の状態を記録しておかないと、退去時に「これ、入居時から壊れてました」と証明できず、本来は貸主負担の修繕費を借主が払うハメになることもあります。

この記事では、引越し前に確認すべき設備チェックリスト20項目を、入居前・入居直後・退去時を見据えた3段階で解説します。

入居前(内見時)に確認すべき10項目

物件契約前の内見時に、以下の項目を必ずチェック:

水回りのチェック(4項目)

1. 蛇口の水圧と水量 全ての蛇口(キッチン・洗面・お風呂)から実際に水を出してみる。水圧が弱い場合は配管劣化の可能性。

2. お湯の出る速度 シャワー・キッチンでお湯が出るまでの時間を計測。30秒以上かかる場合は給湯器の劣化や配管が長すぎる可能性。

3. 排水の流れ シンク・洗面・浴室の排水を実際に流して、流れる速度を確認。スローな場合は配管トラブル予兆。

4. トイレの水流 トイレを流して、水勢と止まり方を確認。流れが弱い場合はタンク内のパーツ劣化。

電気・ガス・空調のチェック(4項目)

5. コンセントの位置と数 各部屋のコンセント位置・数を確認。特に家電配置の予定地に十分なコンセントがあるかは重要。

6. 照明・スイッチの動作 全室の照明・スイッチが正常に動くか確認。リビングの調光機能等もテスト。

7. エアコンの動作確認 必ず冷房・暖房両方を実際に動かす。エアコンクリーニングの実施履歴も確認。

8. ガスコンロ・給湯器の年式 コンロ・給湯器の製造年を本体ラベルで確認。10年以上経過している場合、入居後すぐに壊れるリスク。

構造・設備の総合チェック(2項目)

9. 換気扇・換気口の動作 キッチン・トイレ・お風呂の換気扇を実際に動かす。異音・吸い込みの弱さに注意。

10. インターネット環境 光回線対応か・建物の Wi-Fi 設備があるか・スマホの電波状況。リモートワーク予定なら最重要項目。

入居直後にやるべき10項目

入居後すぐ(できれば入居当日)に以下を実施:

状態記録(4項目)

11. 全室の写真撮影 壁・床・天井・建具のあらゆる箇所を撮影。特に既存の傷・汚れは詳細に記録。退去時のトラブル防止になります。

12. 設備の動作録画 水回り・コンロ・換気扇等の動作を動画で記録。数分の動画があれば「入居時にこうだった」と証明できます。

13. 故障・破損の管理会社報告 発見した不具合は書面・メールで管理会社に報告。電話だけでなく証拠を残すのが重要。

14. 鍵の本数・状態確認 受け取った鍵の本数を契約書と照合。スペアキーを後日作る場合は必ず管理会社の許可を取ります。

動作確認(3項目)

15. 全室の家電動作テスト 持参した家電を全コンセントで動かしてみる。電圧不足や接触不良の早期発見。

16. お風呂の追い焚き機能テスト 追い焚き機能のある物件は、動作確認 + 配管内部の清浄度をチェック。前住人の使用で配管が汚れている可能性あり。

17. 給湯器の高温運転テスト 給湯器を最高温度で5分運転して、温度が安定するか確認。エラーが出る場合は早めの対処を依頼。

安全・防災(3項目)

18. 火災報知器の動作確認 天井の火災報知器のテストボタンを押して動作確認。電池切れの場合は管理会社に交換依頼。

19. ブレーカーの位置と容量確認 分電盤の位置・契約アンペア数を確認。家電を多く使う家庭は契約変更の検討を。

20. ガス警報器・CO警報器の確認 ガス機器のある物件はガス警報器・CO警報器の設置を確認。設置されていない場合は管理会社に相談。

退去時のトラブル防止のために残すべき記録

入居時に記録した情報は、退去時に「これは元々こうでした」と証明する証拠になります。

退去費用トラブルの典型例

トラブル入居時記録があれば防げる?
壁紙のシミ・汚れの請求✅ 入居時の写真があれば反論可能
床の傷の請求✅ 入居時の写真があれば反論可能
設備の故障の修理費請求✅ 入居時の動作確認記録で反論可能
「経年劣化」を借主負担にされる✅ 国交省ガイドライン参照で反論可能

国交省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」を活用

国土交通省が公表しているガイドラインでは、経年劣化や通常使用による損耗は貸主負担とされています。

🌟 借主負担にならない例:

  • 家具の設置による床のへこみ・痕(通常使用)
  • 日焼けによる壁紙の色変化(経年劣化)
  • 画鋲・ピン穴(通常使用範囲)
  • 冷蔵庫設置で壁紙が黒ずんだ(電気焼け)

🚨 借主負担になる例:

  • ペットによる柱の傷(故意・過失)
  • タバコのヤニ汚れ(借主の使用方法)
  • 結露を放置してカビになった(注意義務違反)
  • 釘穴・大きなネジ穴(通常使用を超える)

退去時に過剰な原状回復費用を請求された場合は、ガイドラインを根拠に交渉できます。

チェックを怠ると起こるトラブル例

実際の現場で見てきたトラブルを共有します。

トラブル1:「シャワー水圧が弱すぎて毎日不快」

内見時に水を出さなかったため、入居後に判明。配管劣化が原因で修理は貸主負担だが、住み続けるストレスは大きい。

トラブル2:「給湯器が入居1か月で故障」

10年以上経過した給湯器を確認せずに契約。突然故障したが、修理交渉に時間がかかり、お湯なしの生活を1週間以上強いられた。

トラブル3:「退去時に床の傷で20万円請求」

入居時の写真がなく、「これは入居前から」と証明できず、全額借主負担になった。

→ いずれも入居前のチェック不足が原因

引越し業者選びの注意点

引越し時の「業者選び」も設備トラブルに繋がるポイント。

引越し業者選びのコツ

🎯 必ず複数社から見積もり 1社だけでは適正価格が分かりません。最低3社の相見積もりを。

🎯 追加料金の有無を確認 階段料金・遠方料金・大型家電の有無等、追加料金の発生条件を契約前に確認。

🎯 口コミの「最悪レビュー」を読む 良い口コミより「悪い口コミ」を見る方が業者の本性が分かります。

🎯 赤帽は安いが要注意 個人事業主の赤帽は安価ですが、作業品質にバラつきあり。業者によって対応が大きく違います。

まとめ:20項目チェックで安心の引越し

引越し前後のチェックリストを再掲します:

🎯 入居前(内見時):10項目
1. 蛇口の水圧と水量
2. お湯の出る速度
3. 排水の流れ
4. トイレの水流
5. コンセントの位置と数
6. 照明・スイッチの動作
7. エアコンの動作確認
8. ガスコンロ・給湯器の年式
9. 換気扇・換気口の動作
10. インターネット環境

🎯 入居直後:10項目
11. 全室の写真撮影
12. 設備の動作録画
13. 故障・破損の管理会社報告
14. 鍵の本数・状態確認
15. 全室の家電動作テスト
16. お風呂の追い焚き機能テスト
17. 給湯器の高温運転テスト
18. 火災報知器の動作確認
19. ブレーカーの位置と容量確認
20. ガス警報器・CO警報器の確認

20項目を3-4時間かけてチェックするだけで、入居後のストレスと退去時のトラブルを大幅に減らせます

引越しは新生活の始まり。最初の数時間の手間が、その後の何年もの快適さを決めます。ぜひ実践してみてください。


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